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【イキガミ】最後の24時間を生きる

イキガミ


監督: 瀧本智行
出演:  松田翔太、山田孝之、塚本高史、成海璃子、金井勇太、佐野和真
公開: 2008年9月



こんな事をしなければ、現代の若者には
死と言う概念を植え付ける事が出来ないのだろうか。

こういう法律を作れば、本当に犯罪や自殺は
減るのだろうか・・・



「国家繁栄維持法」が施行されている、日本によく似た世界。
そこは平和で自由が溢れていた。

平和な世界を作るために、彼らが施行しているのは
無作為に千人に1人選出された18歳から24歳までの
若者を法によって死亡させること。
厚生保健省の公務員・藤本の仕事は、選出された
彼らに通称「イキガミ」(逝き紙)と呼ばれる
死亡予告書を届けることだった。


イキガミを巡る、3話、オムニバス形式のような作り。


長いな。

と感じてしまった。

決して面白くなかったわけではないのだけど。
実際、すごく泣いたし。

とくに、3話目のラストには、かなり感動があった。


でも、


先週、先々週、「パコと不思議な絵本」「おくりびと」
人が生きる事と死ぬ事について描く映画を見てきて

「イキガミ」が、一番、その裏表を描いているはずなのに、
人が死ぬ事。いなくなる事。についての描写が
なぜか一番薄い気がした。

もっと背筋が凍るような、薄ら寒くなるような
静寂が欲しかった気がする。



帰り道、友達と、あと24時間しか生きられなかったら
どうするか考えたんだけど。。。


私だったら、別に最後にご馳走食べようとか、
何かしようとか特別思わないかもね

と言う結末に落ち着いてしまった。


24時間しかないなら、特別に動かないや。。。
たぶん、ずっと寝てる

何なら、手間を省くために棺桶に入っておいて
あげてもいいよ


とことん、不精だな。。。



ここから下ネタバレ。観る予定の方は、観てから読んでね



 





長かったと思ってしまったのは、2話目の
議員の息子の話の時。

ストーリーとして、何がダメとかではないと思う。
でも、ちょっとダレた空気を感じてしまって。。。

原因は分からない。
エピソードとしては、重要かもしれないけれども、
これを1話目に持ってきて、もっと短くても
良かったのでは。と思った。

対して3話目のストーリーは最初から最後まで
ジックリと見た。


たった2人きりの兄妹。
秀逸だったのは、兄が亡くなった後のエピソード。


新しい部屋にポツンと置かれた鏡と手紙のプレゼント。

そして、窓を開ければ満開の桜。

この兄は、自分がいなくなった後も、妹が
目が見えるようになった事を喜べるように。
生きている幸せを感じられるように。

ちゃんと演出して、居なくなったんだ。



その深い愛情に涙した。hana


こんな法律が、もしも本当に出来たら。。。

自由だと言うけれども、実際には自由じゃないよね。
反思想を持つ人間は洗脳されるわけで、
少なくても思想の自由はないって事になる。


どうすれば、人を殺さなくなるのか、
自殺は無くなるのか。

人の命と言う物の重さを理解できるのか。


遠い未来、試行錯誤の内に、こんな法律が
できてしまわない事を望みたい。


・イキガミ 公式HP www.ikigami-movie.jp/


   
イキガミ





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★前田有一の超映画批評★






【おくりびと】旅立ちの門に立つ崇高な儀式

おくりびと


監督: 滝田洋二郎
出演:  本木雅弘、山崎努、広末涼子、余貴美子、吉行和子
公開: 2008年9月



モントリオール世界映画祭グランプリ受賞
第81回アカデミー賞 外国語映画賞受賞


「納棺師」と言う職業を初めて知った。

今までに自分が人生で体験した葬儀は4回。
その内2回は、幼くてほとんど記憶にない。

残りの2回は父方・母方の祖母の時。
父方の時は、葬儀は自宅で行ったが、こんな儀式は記憶にない。

住んでいる地方にも寄る物なのかなぁ。。。


死体は、何となく恐い物だ。
「忌む」とよく言うが、葬儀は「忌み事」

「汚らわしい」と言われてしまうのも仕方のない事なのかも。


しかし、この映画を見れば、考えは少し変わるかも知れない。


ご遺体に対する敬意に溢れた納棺師の仕事。

山崎努の、そして本木雅弘の、芸術とも思える
鮮やかな、淡々とした手さばきに思わず魅入る。

丁寧に身体をお清めし、鮮やかに、そして敬意をもって
お着替えをさせ、色のない肌にお化粧する。


それは、この世に確かに存在していた人を送る最後の儀式。


「汚れ」なんかじゃない。
それは崇高な儀式だ。


送り出す人たちの涙に、見る物も涙を誘われる。

崇高な儀式と、久石譲が手がける美しい音楽。
そして、自然の風景。

生と死に、そして、その門出に立つ時間に、
静かに浸れる映画である。


映画館でモックン(もう、そう呼んじゃ失礼かなぁ)を
見るのは久しぶり。
スパイ・ゾルゲ以来かも。。。

いくつになっても透明感のある美しさを
失わない俳優だと思う。

透明な静かな時間を描く風景には、
こういう役者が必要だ。




ここから下ネタバレ。観る予定の方は、観てから読んでね



 



泣かせ映画かなぁ。。。と思ったけれども、
全然違った。

前半部分はユーモアなシーンも多かったし。。。

お風呂屋のおばちゃんを送り出す事になる事も、
自分の父親を送り出すんだろうな、と言う事も、
たぶん父親は石文を持っているんだろうと言う事も、

ストーリー運びから簡単に予想できたけれども
予想出来ても、泣けてしまう。

実は、父親が山崎努でした、ってオチかな、
と思ったんだけど、そんなベタな映画じゃなかった


大きな事件が起こるわけでもなく、ただ淡々とした
ストーリーだったけれども、心に残るシーンは多い。

見て良かったな、と思う。


葬儀に関わる人も大変だなぁ。。。
いくら尊厳ある仕事とは言え、最初に出てきたような
ご遺体とは、関わりたくないだろうな。


ダンナがもしも、この仕事に転職すると言ったら。。。

「汚らわしい」とは思わないけれども、
やっぱり、ちょっとイヤかも

なにか連れて帰ってきたら恐いもん。。。


・おくりびと 公式HP  www.okuribito.jp/



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【パコと魔法の絵本】世界で一番幸せな絵本

パコと魔法の絵本


監督: 中島哲也
キャスト:  役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡、阿部サダヲ、上川達也、土屋アンナ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村隼
公開: 2008年9月13日



幕が開いてから、もう、すぐに中島哲也ワールドだ。

夢のような幻想のような色とりどりの、まんま絵本から抜け出した世界が待っている。


劇中で何度も絵本の世界が出てくるが、この映画そのものが絵本。

笑えて、泣けて、泣けて、泣けて。。。
絵本から抜け出したようなパコの純粋な美しさが、ただそれだけで感動を呼ぶのである。


明日も昨日もない少女は、そこに今あるだけの世界に住んでいる。
パコの周りは優しくて、愛に溢れていて、
パコの笑顔には誰でも思わず微笑みを誘われずにいられない。


役者さんたちの演技は、舞台演劇のようなテンション。
最初は、ちょっとテンションの高さに着いていけないのでは。。。汗.gif
と言う不安を覚えたけれども、パコが登場すると空気が変わる。

意固地で天の邪鬼な大貫と、その時だけを生きているパコ。

毎日2人がベンチに座って本を広げるシーンは、それだけでもう絵本の中のワンシーンのよう。

どうしてかな〜。。。
それを見ているだけで、もう泣けてしまうのである。


笑いがあって感動があって、豪華な役者さんたちが身体を張って演技していて。。。

大人も子どもも楽しめる映画です。

エンドロールまでタップリ楽しんで、本を閉じてください。笑2.gif


ここから下ネタバレ観てない方は観てから読んでね にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ



 



お前が私の名を知っていると言うだけでハラが立つ!

が、口グセだった大貫が、その日の事だけしか覚えていられないパコの記憶の中に何とか残ろうとする姿が寂しく、優しく、美しい。


おじちゃん、昨日もパコのほっぺにさわったでしょ?

そうだ。
私の名はオオヌキだ。
さあ、一緒に本を読んであげよう。


毎日繰り返される、このシーンを見ている内に、何かそれだけで自然と泣けてきてしまって。。。汗.gif

最初は阿部サダヲのテンションに着いていけない〜汗.gifと、ちょっと引き気味で見ていたんだけど、段々と引き込まれるように見ている自分に気付いた。

もちろん、笑えるんだけど、とにかく泣いたなぁ。。。


この子の心に残りたいんだ。

パコの最後、パコのほっぺに手を伸ばす大貫。

その時だけしか記憶がないパコは、本当に絵本の中だけに存在しているお姫さまその物だ。

1人の少女は、1冊の絵本と同じようにみんなの記憶にそのままの姿で生き続けるんだね。


パコ役のアヤカ・ウイルソンちゃんが、本当に絵のように可愛かった〜。笑2.gif

役所さんも役所さんじゃないみたいだった。
あんなに語気の荒い役は初めてでは汗.gif

みんな、メイクもスゴイし、誰って感じだったけど、そういうのも楽しかった。


良い映画、見たなぁ、って思う。


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