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【リンカーン】今でしょ!!

リンカーン〜 LINCOLN 〜

  リンカーンop.png

監督: スティーヴン・スピルバーグ   
出演: ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、トミー・リー・ジョーンズ、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、ジャッキー・アール・ヘイリー、ジョン・ホークス、ブルース・マクギル、ティム・ブレイク・ネルソン、ジョセフ・クロス、ジャレッド・ハリス、リー・ペイス、ピーター・マクロビー、ガリバー・マクグラス、グロリア・ルーベン、マイケル・スタールバーグ、ウォルトン・ゴギンズ、マイケル・シフレット、グレゴリー・イッツェン
公開: 2013年4月19日


2013年4月24日。劇場観賞。

第85回アカデミー主演男優賞受賞(ダニエル・デイ=ルイス)


吸血鬼ハンターじゃない方のリンカーンである。

もう見に行ってからだいぶ経ってしまっているので簡単に。
しかも、ロクな事書いてありません。いたく感動した方(…が多いみたいだから)はお読みにならない方が良いかもです。汗.gif
うっすい感想記事です。
(映画ブロガー様、感動記事が多く予想されるので、こちらからはトラックバックはお送りしないと思います。いただいた分にはお返しします笑.gif)汗.gif


あの奇想天外な「秘密の書」の感想に何を書いたのかはよく覚えていないけれども、本当のリンカーンの伝記を描いた物を見てみたいな、と書いたのは覚えている。
その時点でこの映画の事はもう知っていたので、とても楽しみにしていた。

元々、スピルバーグ監督の作品は私は好きだし…きっと凄く感動できるのだと思ってた。

でも…
とても眠かったです…寝堕ちそうなのに必死に耐えた150分。汗.gif

冒頭はすごく期待値高まった。
戦争シーンから、黒人兵との会話。そしてあの有名な「government of the people, by the people, for the people」が黒人兵の口から諳んじられる。
スピルバーグらしいファンタジックで壮大な伝記が展開されるのだろうと思ってた。

ストーリーのほとんどが奴隷解放を決める憲法修正13条の可決に纏わるもの。
それが淡々と硬派に誠実に堅く描かれる。

それがもう…本当に盛り上がらなくて…。
あ〜もちろん、一票、一票、の投票シーンはそれなりにハラハラもしたんだけど…解っている結果ですしね。

ここは、今でしょ!今でしょ!今でしょ!と字幕するべきだろ〜。
  リンカーンsp1.png

とか、そんな事ばかり考えながら見てた…。すいません…。

票集めのための工作や、悪妻と言われているメアリー・トッド・リンカーンに悩まされる家庭人としてのリンカーンなど、今まで描かれた事のない部分が見どころなのは解るし伝記としては面白いと思う。

けど…ただ伝記をそのまま見ている感じだったの。感情を揺さぶられる事は無かった。

戦争シーンのドロッとした映像や建物の中の光の使い方など映像は美しかった。

私の中では、一応リンカーンの歴史の一部分…見ました、という程度に納まった映画だった。

期待していたものとはだいぶ違った。


この戦いで使われた銃が戊辰戦争の時に使われちゃうのかなぁ…「八重の桜」ではこんな凄い戦争映像は見られないだろうな…とか、また余計な事を考える。汗.gif
  リンカーンsp2.png



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リンカーン家の黒人家政婦(グロリア・ルーベン)に、リンカーンが尋ねるシーン。

「解放されることは恐くはないのか?」
家政婦は、「私はただ戦争で国のために戦って亡くなった1人の息子の母親です。」と答える。自由を恐れる事はないと。

そこがこの映画で一番感動したシーン。

このやり取りが実際にあったものかどうかは知らない。創作だとしたらベタかも知れない。
でも、こういう心で自由を求めている人たちを解放しなければならない、とあのシーンを見た時に思ったの。

たぶん、私はもっとそういう物を見たかったのだと思う。

「リンカーン」公式サイト

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【テンジャン】奇跡の味噌を探す旅

テンジャン〜 味噌 / 된장 〜

  

監督: イ・ソグン   
出演: リュ・スンリョン、イ・ヨウォン、イ・ドンウク、イ・ソグン、ハン・ジェグォン、チョ・ソンハ、イ・ヨンニョ、パク・チュンソン、ナム・ジョンヒ、キム・ジョンソク
公開: 2010年制作:日本未公開


2013年4月17日。DVD観賞。

その味噌は奇跡を起こす。人を幸せにし、他人を救う。誰もが一度は食べたいと願うテンジャン。
限りなくファンタジーで、その足跡は興味深く、美しく幸せで…そして、切ない。

殺人鬼として投獄され5年間も脱走逃亡生活を続けていたキム・ジョングが逮捕された。
彼を捕まえた時、大乱闘が起きたという警察発表だったが、実際には1杯のテンジャン(味噌)チゲを一滴残さず食べて茫然としていた所をアッサリお縄にしたという話。

国内で14年ぶりの死刑囚として話題を呼んだキム・ジョングの最後の言葉は「テンジャン」だったという。

この事件に興味を持ったジャーナリストのチェ・ユジンは、殺人鬼さえ魅了する「幻のテンジャン」を追って取材の旅に出る。



ほとんど前情報はなく、GEOの店頭で新作入荷DVDとして流されていたのに興味を持って借りてきた1本。

見る前は勝手にこの死刑囚とテンジャンを作った女性のラブストーリーなのかと想像していたけれども、全く違っていた。

チェ・ユジンが追っていく幻のテンジャンの軌跡。
そのテンジャンを作った1人の女性・チャン・ヘジンのミステリアスな過去。
幻の味噌はどういう事情でどんな風に作られた物だったのか…。

紐解かれる様子が美しい映像とファンタジックなストーリーで語られる。

チェ・ユジンがユニークな男なので、局の上司とのやり取りはコメディタッチで楽しい。
最初の方は割とクスクス笑いながら見るシーンが多かった。

「特ダネ」を追ってきたはずなのに、いつの間にか1人の女性の切ない「愛の軌跡」を追っていた事に気づき始めるユジン。

真実が描かれるシーンではいつの間にか泣いていた。

各家庭で作り方も味も変わるというテンジャン。
人の歴史が料理を語るんだな…。

テンジャンチゲの美味しそうな映像と、それが出来るまでを追っていくというグルメ映画としての楽しみも、幻のテンジャンの秘密を探るミステリーとしての面白さも、ファンタジックな切ない恋愛劇としての見応えもある…。

うん。まさにこの映画の鍵になっているテンジャンその物のたくさんの香りが味わえる作品だった。

 「テンジャン」DVD予告動画
  


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「環境が味噌の味に関係する」

そう聞いたチェ・ユジンは、チャン・ヘジンが何処でこの味噌を作っていたのか探る。
100%ナトリウムというあり得ない結晶を持つ塩を探し、花の香りがする甕が作られた環境を探る。
ちょっと見にはグルメ旅番組のようだ。

働いていたおばさんの店からヘジンを連れ出した大手企業の社長は、自分の嗅覚を治してくれた奇跡の味噌の作り手であるヘジンを純粋に愛した。

だから彼女のために彼女の愛する人を探したのだった。

事故に遭ってしまったのは、映像の様子からは偶然には見えなかった。
ヘジンを絶望から救うために自らも…という事だろうか。

ヘジンの愛する人は海に沈んだ。
2人で花びらを集め、2人で甕を作る土を育てた。繋いだ手は花の香り。

残されたのはヘジンが持って出た小さな甕に入ったテンジャンのみ。
遺体は腐る事はなく花の香りがしたという。

幸せになりかけていたのになれなかった悲恋を語る味噌は、殺人鬼の脳裏にも訴えかけるほど甘く優しい切ない味だったのに違いない。

久しぶりに、いいラブストーリー見たな…と思えた。


『キム・ジョングが最期に食べたかった味噌の材料』
梅の香りのする甕。
花びら混じりの土。
太陽に当ててニガリ分をしっかり抜いた塩。
日の出塩田。
子ブタが育てた大豆。
山の奥深くにある漆の水。
梅花酒の麹。
コオロギの共鳴。
日差し、風、そして、涙。

『作り方』
待つこと。



「テンジャン」公式サイト(韓国語)

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【別離】「イラン家族」

別離〜 JODAEIYE NADER AZ SIMIN / جدایی نادر از سیمین 〜

   

監督: アスガル・ファルハーディー   
出演: レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハーディー、ババク・カリミ、アリ・アスガー=シャーバズィ、シリン・ヤズダンバクシュ、キミア・ホセイニ、メリッラ・ザレイ
公開: 2012年4月7日


2013年4月18日。DVD観賞。

秀逸だね。
と、見終わった後、すごい上から目線で思わずつぶやいてしまった…。
どういう結末になるのか、ちょっとドキドキしながら見てのあの余韻は何とも言えない。

「東京家族」ならぬ「イラン家族」。
あまりよく解らない文化の国だけに、事件に対する対処が物珍しい。

けれども、そういう部分以外、事件については日本でも充分起こり得る事であり、日本で起きた事件の裁判でちゃんとした弁護士が双方についたら、弁護士の腕次第でどうにでも転びそう。


イラン・テヘランに住むシミンとナデル夫妻は離婚調停を申し出ている。
2人の間には11歳の1人娘・テルメーがおり、親権問題で揉めている最中だった。
方がつかないまま荷物をまとめてシミンは実家に帰り、アルツハイマーの父を抱えたナデルは世話に困って家政婦を雇う。
この家政婦を家に入れた事から事件は起こる。



自分の望みどおりの家庭が欲しかった妻、父の介護で頭がいっぱいの夫、両親の離婚を望まない娘。
どの国でもありそうな家庭だ。
老人介護は日本だけの問題ではない。そして、イラクでは介護施設が少ないらしい。
介護の能力がある家政婦も少ないのだろう。
それでも、雇われた家政婦・ラジエーは雇い主の世話を真面目にしようとしてくれていた。

夫婦の形や宗教上の思想は物珍しかった。
子どもを思う親の気持ちや親に別れてほしくない子供の気持ちは日本人でも充分理解出来る物。

時間経過の繋ぎが少しおかしくて、いつの間に日が変わったのか何日経ったのかなど疑問に思うシーンがしばしばあった。

それでも、この作品がベルリン国際映画祭のコンペティション部門で金熊賞を受賞した事、第84回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞した事は充分に納得できる。

真実を隠す事、隠し通せなかった事、疑惑で凝り固まると悪意しか見えなくなってしまう事…。
人間の滑稽で情けない部分は、人間であればどんな国に住んでいようが同じだから。



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「離婚の理由は夫が一緒に海外移住しないと言い出したから」
と言う部分がよく解らなかった。
シミンはテルメーの教育のためだと言っていたが、この国の教育がどう悪いのかその説明は一切ない。

しかも、ナデルも一度はその案に賛成したらしい。しかし結局は父を置いて行けないと言い出し、そこから離婚問題に発展したのだとか…。

シミンが主張する離婚の理由がサッパリ解らないまま物語は最後まで進む。

自分が出て行ったら義父の介護に困るだろうことは解っているのに出ていくというのも酷い話。
何の説明もなかったけれども、結局はシミンは介護生活に疲れていたのかなぁ…と想像する。

どんどんアルツハイマーが進行してゆく義父、ちょっと偏屈な夫。
国を出ていけば何か変わるかもしれないと夢見て、出ていく理由を娘にこじつけたのかも。

自分が出て行けば夫は困るに違いない。そして離婚を考え直すだろう。そんな計算も見えた。
荷物は車に積んだままだった。それはテルメーが見ている。

ラジエーの嘘は日本人の私でも想像できる。
敬虔な信者であるラジエーは介護のためとはいえ、着替えさせたり風呂に入れたりという男性の裸に触れる事が大変な禁じ事だったのだろう。
そんな仕事をしている事を夫に知られるのは罰当たりだと考えて黙っていた。それでも金は必要だ。

介護していた事を知られないためには流産の原因をナデルに押し付けるしかなかった。

19週目の胎児を殺した人間は殺人罪に問われるイランという国。

殺人罪で訴えられて、暴行傷害罪で訴え返す。もう泥沼。

貴方のせいよ。
とシミンは言い、

僕の?
とナデルに聞き返されて答えに詰まる。

ナデルが、ラジエーが金を盗んだと疑い突き飛ばした事が事件の発端。
しかし、全ての発端はシミンが家を出て行った事。
(あれっ、そういえばお金の事もどうなったの結局、盗ったの盗ってないの汗.gif)

誰が悪いのかと言えば…どっちもどっちなのだ。


ナデルの父を助けるために車にはねられた事が流産の原因だったのに、それを言えなかったラジエーが哀れだ。
あの真実は後々ナデルに伝わったのだろうか。
ナデルはその事実を知ったら、裁判の和解金などではなく礼金をラジエーに払うべきだと思うよ。

そして、もう1人、あまりにも可哀想なのが親に翻弄されて嘘までつかなくてはならなくなった11歳の少女。


自分に嘘をつき、自分に嘘をつかせた父親を選ぶのか。
駆け引きのために家を出て行った母親を選ぶのか。

家庭裁判所の廊下で、それぞれ離れたソファに座り、結果を待つナデルとシミン。
もやもやした余韻が残るラストシーンが印象的。


「別離」公式サイト

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